ミス・プリント

昨年11月2日、鹿児島市の「かごしま親善大使」が選出され、任命された。
我々の世代には「ミス鹿児島」がなじむ。「大使」と名称変更して二年目だそうだ。
翌3日「鹿児島おはら祭」でデビュー。 新しい三人の親善大使たちは一年間の任期を前に緊張の様子だ。

すべからく若い女性は人前に出ることなく、思慮深く、心優しい人であって欲しい。
親善大使が自分の娘であるならば、親としてこう言うだろう。
「大使就任、おめでとう。生涯のいい記念になるだろう。
なりたくて応募、合格したのだから、2〜3ヵ月は浮かれていていい。
回りからチヤホヤされることがあるかもしれない。それに錯覚、スター気取りで奢(おご)ってはならない。
お前のミッション(使命)は、如何に鹿児島をよくアピールするかだ。その勤めを、しっかり果たしなさい」。

なにはともあれ大使達には我が鹿児島のため、大いに貢献して欲しいものだ。

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敗戦後の復興期、昭和28年「日本国民に元気と自信を与えた」のは、伊東絹子のミス・ユニバース3位入賞。
「八頭身美人」が流行語になり、「顔部分がカラダ全体の8分の1」が、いいプロポーションだと言われた。
ところで、鹿児島県観光連盟が企画募集した観光ポスター・コンペに、写真家の織作峰子(おりさくみねこ)さんに撮影をお願いして応募したことがある。
それまでにない切り口のすばらしいポスターを渕上印刷がお納めできた。
因みに織作さんも、「ミス・ユニバース日本代表」経験者だ。

さて、京舞の井上流は男子禁制の流儀。いまは祇園甲部の芸妓・舞妓が習う「都をどり」の流儀としても知られる。
4年前に98歳で亡くなられた井上流四世、井上八千代(本名・片山愛子)さんは人間国宝に認定されたお方だ。

鹿児島商工会議所新年会では、新人議員が芸者さんに扮してステージを勤める恒例の人気アトラクションがある。
新年会は、ご来賓や会員関係者250人ほどで会場が埋まる。
逃げ延びたものの、議員就任後3年目に捕まり、デビューするはめになった。
その年は3人が選ばれた。

♪月はおぼろに東山 霞む夜毎の かがり火に〜・・・。

曲目は「祇園小唄」が選定され、ご披露申しあげることに決まる。
本格的だ。日舞のお師匠さん直々の指導もある。三回、一時間ほどのレッスンを受けた。
本番当日は有名美容室の先生方が着付けやメーキャップを施してくださる。
出演にあたり、各自が工夫した芸名を申告する。
包装資材やさんは「包み奴(つつみやっこ)」、社名に「福」がつく芸者さんは「ふくまる」姐さん。自分は印刷会社、「ミス・プリント」を命名した。
司会役の副会頭に、ミス・プリント姐さんの紹介を、くどいほどお願いした。
「発音が極めて重要です。ミスプリント(印刷ミス)ではありませんよ。
(ミス・ユニバースの)ミス!プリント、ですからね」、と。

いよいよ本番。
ミス・プリント姐さんは、日本古来の伝統芸術京舞で「国民に元気と自信」を与えるべく、使命感に燃えた。
リハーサルの成果か、持って生まれた筋の良さか。姐さん三人の呼吸も合い、流れるごとくの華麗な舞い。
格調高く舞い納め、場内右方、そして左、最後は中央と、三方に気品溢れた一礼。しばし静まり返った場内。一瞬間を置き、称賛と喝采。

その年を最後に、伝統あるこの人気イベントは廃止となった。
「あれを観て気分が悪くなった」。「会議所の品格が落ちる」。
これが中止理由のようだ。
一体、三人のうちダレの舞いが中止に追い込んだのか!?070405_02.jpg


 
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